掛川市内で開催の「原泉アートデイズ」というイベントへ行ってきた。
地域を巻き込んだ芸術祭だ。
昨年まではその存在すら知らなかったこちら。
自分が芸術祭を運営する側の立場となったからなのか、目に留まるようになったし、
最近ここに出かけたという知り合いのSNS投稿を目にしていたのもあり。
11月は忙しくなるのが目に見えているので、
せっかく空いた時間。癒しの時間として山奥へ一人ドライブに行こうと思っていたのだが、
せっかくならアートデイズに行ってみたい興味のほうが先に立ち、
どっちみち山奥なのは川根本町も変わらないだろうから。行ってみた。
ナビで行ってみるも、やたらと遠回りをさせようとするので、
自力でどんどん近い道であろう方へと行ってみると、
かなり道が細く、途中通行止めで迂回させられる始末。
だからナビは遠回りを指示していたのか・・・
迂回したにしても、きちんと目的のイベントの案内表示がされているところに感心した。
見知らぬ土地に一人訪れて。
目的の場所に着けないのは致命傷。
そのイベントの印象がそれだけで悪くなってしまうことも。
親切さをどうやって表すかも大事なことなのだな。
しかも、そのイベントのイメージを崩さずに、おせっかいすぎずわかりやすく。
難しいけれども。
とにかくその道中のおかげで、ハラハラしたが、顔はにやけている自分にも気づいた。
スリルを味わう自分を楽しみたいんだな、自分。と。
お一人様でも困らないアート鑑賞。いいじゃないか。
スタッフの説明がとても重要だと言うことも痛感。
首にスタッフ証ならぬ鑑賞者のあかしを提げるよう言われた。
お洒落な感じがするので苦ではない。
他の展示場にそのまま向かうと、その施設のスタッフさんからスムーズに案内をしてもらえた。イベントスタッフではないのに、このスムーズさ。こちらが説明しなくてもわかるスムーズさたるや。すばらしい。
正直、私にアートはわからない。
ただ、アーティストが魂込めて作品を作り上げ、この地で発表することの意義というのは重々感じる。
よくわからないなりにも、じっくり堪能したつもりだ。
原泉地区の山深くのどかな感じとは裏腹に、どことなくはかなさが感じられた。
私の好きな川根本町のそれとはちょっと違うと感じた。
もっとマニアックな気がした。
秋も深まり、広葉樹の色が赤や黄色に色づく部分が見える、向こうの山。
それをずっと見ているだけでもここに来た価値はあったと思った。
音読パフォーマンスがあるから、ぜひ。とスタッフさんにおすすめされて訪れた場所がまさにその価値を感じられる場所だった。
実際、観客が私一人だったという、
なんとも贅沢であり、恐縮であり、動けなくもあり、動きたくもなく。
なぜいまここにわたしはいるのだろう。
と思ってしまいそうになる。
何事も必然。
本当に貴重な体験をさせてもらえたのだと、これから感じるに違いない。
音読で聞かせてもらったストーリーにまた運命を感じる。
感想を述べなくてはならない状況で、ライターの端くれなのにまったく言葉が出ない。語彙力が足りない。
とはいえ、悲しい気分になったわけではなく、
むしろ、頭の中を空っぽにすることについて、考える事ができたのは収穫だった。
無理なんですけどね、空にするなんて。
ほんと人って饒舌ですね。口をつぐんでいても。頭の中は。
とにかく、一人で自由に動いてアートに触れる時間を満喫した。
とにかく、ガソリンが持つことを祈りつつハラハラした日だった。
受付ではドネーションとして1000円だけお支払いした。
安いかもしれない。でも払わない人もいるかもしれない。